市政の動き−市政の動き
【20.01.19】みよし市の充実した公共交通網に驚く
さんさんバスと乗り合いタクシー乗り継ぎスムーズ
自動車のまち、みよし市が、こんなに公共交通の充実に力を注いでいることに非常に驚きました。
みよし市は、行政面積が江南市とほぼ同じ。市北部を名鉄豊田線が東西に横断し、市中心部では隣接市町を結ぶ名鉄バス4路線が運行しているなど、江南市とよく似た条件の自治体です。(財政が非常に豊かなところは違います。)
民間バス路線を補完する公共交通として、市のコミュニティバス「さんさんバス」(1乗車100円)2路線バス6台が、市内を縦断するように1日各路線25便ずつ運行。年間利用者は約28万人、1便平均の利用者は約15人に上っています。
バス利便地域をバス停から基本的に300m〜500mの範囲内としてバス停を設置し、人口カバー率は96%とのことでした。
さらに、バス停から遠い交通不便地域からも「さんさんバス」に乗り継ぎできるよう「乗り合いタクシー」を運行しており、乗り合いタクシーと「さんさんバス」を乗り継いでも、100円で利用できます。
「さんさんバス」も乗り合いタクシーも委託先が同じタクシー事業者のため、バスとタクシーが連携し、スムーズに乗り継ぎできるシステムとなっていて感心しました。
「さんさんバス」利用の20分前までにタクシー会社に電話予約し、自宅近くのタクシー乗降場で待つと乗り合いタクシーが来てバス停まで運んでくれ、タクシー内で100円払って乗り継ぎ券を受け取り、その券で「さんさんバス」に乗ることができます。
帰りは、「さんさんバス」に100円を払って乗り、運転手に●●バス停で乗り合いタクシーに乗り継ぐことを告げると、バス運転手がタクシー会社に連絡してくれて、バス停で待っている乗り合いタクシーで帰ることができます。
また、市内を走る愛知学泉大学スクールバスに100円で一般の人も乗ることができたり、隣接市内の病院への「さんさんバス」乗り入れや隣接市のコミュニティバスがみよし市内に乗り入れたりと、様々に市民の生活の足確保策が考えられていました。
さらに約19年も前から利便性向上のため、バスロケーションシステム(バス運行情報・位置情報サービス)を導入しており、パソコンやスマホから、乗りたいバスの運行情報を手軽に確認し、バス停での無駄な待ち時間をなくすことができるようになっていました。
ここまで徹底した公共交通網の整備・充実を行って心配なのは経費ですが、「さんさんバス」と乗り合いタクシー合計の年間運行経費はH30年度で1億1159万円。料金収入(2600万円)と国補助金(2141万円)をひいた年間運行負担金は6846万円でした。
これにはバス車両購入費が含まれず、実質負担はさらに上回る額になりますが、思ったより少ない印象を受けました。市域が江南市と同様に狭くコンパクトにまとまっているため、効率よくバスを運行できるのだと思われます。
みよし市のタクシー券補助制度は障がい者に対するものだけで、高齢者へのタクシー券補助を行っておらず意外でした。バス停まで歩ける人は歩いてもらう方針なのでしょうか。
担当者に今後の方向性をお聞きしたところ、来年10月にバス路線の再編を予定しており、長大な現ルートを短縮しバスを6台から9台に増やして不満足な市民をなくすことを目指すのだとか。
財政が豊かなみよし市だからできる面があるとは思いつつも、公共交通に対する取り組み姿勢の江南市との落差に愕然となりました。