市政の動き−市政の動き
【23.10.26】建設産業委員会でオンデマンド交通を視察
群馬県富岡市の「愛タク」を視察
10月19日、掛布まち子が所属する建設産業委員会の行政視察で、群馬県富岡市の乗合タクシー「愛タク」について研修しました。実際に乗車し、運転手の話も聞くことができました。
「愛タク」は、MONET(ソフトバンクとトヨタ自動車の共同出資)の配車システムを使った事前予約制のAI活用乗合オンデマンド交通。一乗車100円で市民誰でも市内全域の停留所間を乗合で最適ルートを運行しています。
停留所は公共施設や駅、スーパー,医療機関、地区公会堂など市内に453か所。車両は7人乗りミニバン6台で、毎日午前8時から午後5時まで運行。
運行事業者は、市内のタクシー会社2社が3台ずつ受け持っています。
予約方法は電話、アプリ、ラインを使う3方法が可能。利用希望日の5日前から当日20分前まで可能。維持管理経費は、初期投資以外に年間7200万円ほどとのことでした。
富岡市内には上信電鉄と「愛タク」以外に公共交通はなく、「愛タク」が運転免許を持たない市民の唯一のお出かけ手段となっていました。
安価で便利で市民に大好評の愛タクは、定時定路線運行だった以前の乗合タクシーの時代に比べて、利用者が1.8倍にも増え、増える需要に供給が追い付かず、予約が取りづらいほどになっていました。
車両を6台からさらに増やしたくても、 タクシー会社の一般タクシー営業を圧迫することになりできないとのこと。すでに供給が限界に来ていて、今後の対応に苦慮されていました。
また運転手さんからは、AIの無茶ぶりに振り回されて困るとの本音も聞けました。
これ以外にも、AIデマンドのシステムさえ導入すればそれで終わりとはいかず失敗自治体の例が数多くあることも教えてもらいました。導入後のきめ細やかなフォロー体制や、導入前の競合交通事業者との十分な調整が必要なことも良く理解できました。
新たな公共交通の導入は、本当にその地域にぴったりあったものを、住民、事業者、行政でじっくり慎重に進めなければなりません。