市政の動き−市政の動き
【21.07.27】久昌寺取り壊し、跡地を市が購入方針
歴史ある久昌寺、廃寺へ
7月26日の全員協議会で、久昌寺公園の用地取得について協議が行われました。
宗教法人・久昌寺から2020年8月、老朽化が著しい久昌寺(田代町郷中)の本堂と庫裡を取り壊すので跡地(1659平方メートル)を市に買い取ってほしいとの要望書が提出されました。
これを受けて市は、跡地を買い久昌寺公園を拡張する方針です。9月定例会補正予算に土地鑑定、測量予算を計上し、2022年度に用地を購入(約4500万円)、2023年度に公園整備をしたいとしています。市南部地域は都市公園、緑地の面積が他地域に比べて非常に少ないのも理由です。
すでに久昌寺境内の南側と北側は、久昌寺から市が無償で用地を借り約4000万円かけて公園として整備済み。南側は境内を生かした憩いの場、北側は健康遊具が置かれていますが、いずれも市民に十分に利用されているとはいいがたい状況です。
久昌寺は曹洞宗の大本山、総持寺直末の由緒ある寺。戦国時代にこの一帯で勢力を誇った生駒氏の菩提寺で、織田信長の室、吉乃(織田信忠、信雄、徳姫の母)は三代生駒家宗の娘。吉乃没後、その法名にちなんで久昌寺と寺号が改められ、寺の墓地には、生駒氏歴代当主や吉乃らの墓碑が立ち並んでいます。
江南市は、久昌寺や関連する末寺、碑などを巡るふるさと歴史散策道、信長・生駒(吉乃)コースの中心に久昌寺をあて、久昌寺公園も整備し江南市観光のPRに努めてきました。
今回、宗教法人・久昌寺から、敷地の買い取り要望が出てきた背景には、寺の解体費用を跡地売却で工面したい意図があります。
市が買い取りに応じない場合、民間へ売却するとして境内に市が整備した公園遊具・トイレなどの設備を撤去し更地にして寺に返還するよう求めています。
全員協議会では、近隣市民に、久昌寺公園の拡張整備の強い要望や必要性が認められない限り、(事実上の久昌寺救済のための)跡地購入は認められないと、党議員団は疑問を呈しましたが、他会派からは意見がでませんでした。