市政の動き−市政の動き
【15.10.23】対照的な図書館3館を視察研修
赤レンガ図書館と海老名市立中央図書館見学
市議会厚生文教委員会の視察研修で、10月20日〜22日の間、東京方面に視察研修に出かけました。20日には、子育て支援先進自治体の江戸川区、21日には、北区立中央図書館と先進的な活動で全国的に有名な千代田区立中央図書館、22日には高齢者見守り事業について練馬区で研修。
さらに、22日にTSUTAYA図書館2館目の神奈川県海老名市立中央図書館を見学しました。
北区立中央図書館は、愛称・赤レンガ図書館といい、旧陸軍の弾薬などの製造所として使われた「赤レンガ倉庫」の建物の外壁や鉄骨、柱を図書館建物の一部として再活用した、北区の歴史を留める風格のある美しい建物。
1階は広くゆとりのある空間で、食事もできる喫茶室やお弁当屋や飲み物を持ち込めるフリースペースも。2階はこども図書館で、赤ちゃん連れでも安心して読書が楽しめるきめ細かな配慮がありました。
3階は協働のフロアー。図書館活動を支える市民ボランティア(区民の会)の人たちの活動スペースや市民の要望を取り入れて録音室も完備されていました。北区の古写真や古地図、古文書などの地域資料を保存し、区のことが何でもわかる「北区の部屋」も設置され、地域資料専門員2人がレファレンスに応じていました。
図書館新築の検討過程で、管理運営上の問題などからPFI手法の導入を止め、直営を選択。市民が主役の図書館、永く愛される図書館、区民が活動する図書館、「区民とともに歩む図書館」の実現をめざすとのスローガンどおりのレベルの高い図書館活動が展開されていました。
TSUTAYA図書館としてリニューアルオープンしたばかりの海老名市立中央図書館も見学しました。
改装費用を全額、海老名市が負担したそうですが、1階フロアーのほぼ全体がスタバのカフェと蔦屋書店で占められ、書店そのものでした。
子ども連れの若い夫妻や高校生などが非常に多く訪れており、勉強、談笑、カフェで飲食、読書と思い思いにすごしていました。地下1階と2.3階が図書館。もちろんエレベーターもありましたが場所がわかりにくく、多い階段と狭い通路、天井まで本が積み上がった高い書架が迷路のように入りくんでいました。
一番行きづらい4階が子ども図書館。入り口部分にはちゃっかり販売用のおもちゃ、幼児用絵本が並び、奥には本来の貸出用絵本、児童書がありましたが、子ども図書館というよりは遊園地のようでした。
全体的に、文科省の図書館のめざすべき「望ましい基準」が意識されているとは思えず、どこから見てもTSUTAYAのための施設で、本当にこれが公立図書館として許されるのか、人さえ集まって来ればよいのかと、疑問だらけでした。北区中央図書館を研修した直後だっただけに、余計に大きな違和感が残りました。(掛布まち子記)