市政の動き−市政の動き

【09.02.10】耕作放棄地解消事業・自治基本条例を学ぶ

深谷市・大和市を視察=日本共産党議員団

 2月9日・10日と政務調査費を活用して、埼玉県深谷市と神奈川県大和市を視察して来ました。
説明して下さったのは、農業委員会事務局長野辺邦男さん、次長の茂木房治さん、農地係長の茂木隆さんに、市産業振興部農業振興課の畔元直大さん。日本共産党の清水むつみ議員も同席していただきました。
 深谷市は有数の農業生産地。そこでも耕作されない遊休農地が増えその解消のために農業委員会と市が連携し、必死の取り組みが行われていました。
増えたといっても農用地面積6,453haの内遊休農地は140ha、2.18%です。江南市は、38.8%が耕作放棄地(2005年農業センサス)となっています。
 深谷市農業委員会は、毎年遊休農地の調査を行い、2007年度の調査の折、遊休農地の情報を農業委員会のホームページで公開してもよいかを尋ね、同意が得られた遊休農地について2008年5月より公開を開始し、174軒245筆20.3haの遊休農地の情報がアグリハローワークに公開されました。
 一方深谷市は、遊休農地を利用して農業を始めようとする市民や規模拡大を行おうとする農家に対して、報奨金や遊休農地復旧のための補助金などを新設し農業委員会と一体となって事業を推進しています。
 その結果、事業が始まって半年余りですが、15戸の農家の23筆2.23haの遊休農地が農地としてよみがえったということです。問題は500ha以下の農地をどうするか、農業を始めようとする市民をどう支援するかが課題だとのことでした。
 よみがえった2000haの農地、最近まで奥に見えるような木が生い茂った荒れた土地だったそうです。春にはキャベツを植えたいとのこと。
   

  突然ですが、東京駅ではありません。JR深谷駅なのです。東京駅のレンガは深谷の工場から出荷されていることから、それを記念しての駅舎になったとのこと。ただしレンガ造りではありません。

 
 江南市は昨年3月に市民協働研究会の提言をうけ、自治基本条例(仮)の制定に向けて、市民参加の検討委員会をたち上げました。
10日は自治基本条例の先進地である神奈川県大和市を訪問しました。
説明をしてくださったのは、企画部分権強化推進担当チーフ渡辺勲さんと、主任の濱口美鈴さんです。女性が説明して下さる機会は少ないのでそれだけでうれしくなります。
 大和市は、2002年4月に、素案の段階から「市民が主体で条例をつくる」ことを基本に、委員を公募し、10代から80代までの市民35名(男29・女6)が応募。学識経験者1名、職員5名が加わり「自治基本条例をつくる会」を発足。学習と市民へのPR,ニュースの発行、各種団体や議会との意見交換会を行い素案を作り上げていったとのこと。その中には2つの高校の高校生との懇談会も含まれ、全体で意見交換会やフォーラム63回、会内の学習会や会合119回計182回(584日間)を経て素案を完成させ、2004年5月に市長へ提案。
 市役所関係各課、市議会、市政策会議等の検討を経て、04年9月議会で一部修正され議決。05年4月に施行されました。
 この条例の施行を受けて、「市民参加に関する条例」や「住民投票に関する条例(有権者16歳)」が制定されています。
 条例の中で他の自治体にはない特筆すべきことは、条文に「厚木基地」の項目が設けられ、「市長、市議会は、…基地の移転が実現するよう… また 航空機騒音等の問題解決に努める…」ことが(「返還」が「移転」に修正されたとのことですが)盛り込まれていることです。いかに基地が市民生活に大きな影響を与えているかがうかがわれます。
 視察終了後、日本共産党議員団の窪さん、高久さんに、厚木基地の滑走路の近くまで案内していただきました。江南市よりも狭い市域27㎢に22万人が生活する人口密集地の上空を戦闘機が離着陸を繰り返しています。 私たちが居る間にも数分間隔で飛び立ち、着陸していました。いただいた資料によれば、騒音被害は周辺7市200万人にも及ぶとのことです。
 基地の返還や騒音に抗議する運動が粘り強く続けられています。
 今回の視察を通じてうれしかったことは、深谷市では、清水議員に同席していただき、大和市では、お二人の議員に厚木基地を案内していただくとともに、自治基本条例の問題点などについても率直な意見を聞くことができたことです。
 まったく初対面でも率直な意見交換がすぐでき、既知の友のように話ができるのは、日本共産党議員だからこそです。あらためてその素晴らしさとありがたさを実感しました。
 お世話になった皆さんありがとうございました。

 なお深谷市の遊休農地解消事業についての詳しいことは、深谷市または深谷市農業委員会のホームページ、アグリハローワークをご覧ください。大和市の自治基本条例の詳しいことは大和市のホームページをご覧ください。

   
厚木基地から飛び立つ戦闘機

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