活動日誌−東奔西走

【14.10.26】岡山県総社市のデマンド交通を研修

独自の公共交通で、安心して気軽に外出できるまち

   10月23日(木)江南市議会建設産業常任委員会で、岡山県総社市(人口約67600人、面積212平方キロメートル )の新生活交通「雪舟くん」を研修しました。

「雪舟くん」は、公共交通空白地帯の解消と高齢者等の移動手段の確保を目的に、4年前に導入された事前登録制・予約型、乗り合い方式、ドア・ツー・ドアのデマンド交通の愛称です。1乗車大人(中学生以上)300円、小学生や障害者、要支援要介護者は200円、未就学児は無料。市役所内に設けられた予約センター(臨時職員などを5名配置)に1時間前までに電話で予約すれば、自宅まで迎えに来てくれ、病院や商店などの目的地まで運んでくれます。運行は平日のみです。

 

 従前からあった路線バスや市コミュニティバス、バス・タクシー料金助成制度などの地域公共交通を総合的に整理し、存続・減便・廃止等の見直しを行うのと同時に、デマンド交通「雪舟くん」を導入したものです。それまで地域公共交通対策に市がかけていた予算の範囲内で、見直しを図ったとの説明でした。

 車両は8人乗り5台と10人乗り4台で、市が購入。運行と車両管理はタクシー会社5社とバス事業者2社に委託。広い市域を4つのエリアに分け、さらに病院や商店、公共施設が集中する市中心部を共通エリアに設定。同一エリア内の移動と、各エリアと共通エリア間の移動についてのみ、雪舟くんを利用でき、行き帰り便が1時間に各1回の割合で運行されています。

 導入当初から利用は順調でH25年度の利用者は年間6万人強、一日平均約250人にも。江南市の「いこまいCAR予約便」とほぼ同程度の利用者数です。

 

 総社市の「雪舟くん」がすごいところは、 ●利用者負担額が距離とは関係なく1乗車300円(1乗車ごとに50円分のタクシー料金割引券がもらえるので、実質1乗車250円になる)と比較的安いため、市周辺部に居住する高齢者が多く利用できていること 

 ●いこまいCARは1人乗車がほとんどですが、「雪舟くん」では2〜3人、多いときは5〜6人の乗り合い乗車で走っていること 

 ●いこまいCARは料金が高いためか通院が大半で買い物その他の利用が少ない現状ですが、「雪舟くん」では通院、買い物、福祉施設、公共施設、金融機関、理美容への外出など、高齢者が文字通り生活の足として活用できていること 

● 導入後も、市が毎年利用者と未利用者へのアンケートを行って要望と課題をつかみ、運行内容のきめ細かな改善を毎年繰り返していること。その結果、利用者満足度が非常に高いこと。  

● 「雪舟くん」の運行がタクシー会社の営業を圧迫しないよう、タクシー料金割引券制度を連動させて共存を図り、また割引券(雪舟くん乗車証明書)を市内店舗の集客数増加にも役立てていること 

● デマンド交通が定着し利用者が増えても、公共交通全体の市負担額が従前の範囲で収まっていること。などがあげられます。

 市面積が30平方キロメートルと狭く病院や商業施設、公共施設が分散配置している江南市と、総社市では条件が大きく異なりますが、市全体の公共交通システムを総合的に見直し交通不便地域をなくした成功事例として、総社市に学ぶ点は多々あると感じました。
(雪舟くんの下写真は、総社市HPより)
 

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