市政の動き−市政の動き
【25.02.02】各務原市の公共交通を視察
皆で公共交通をはぐくむまち、各務原市を視察
1月23日、市議会建設産業委員会で、各務原市の公共交通を視察しました。
各務原市は、地域住民、交通事業者、行政の三位一体の体制で公共交通ネットワークを再構築し、地域公共交通の確保・維持に積極的に取り組んだことが評価され、2023年度に優良団体として大臣表彰を受けた自治体です。
受賞にふさわしく、しっかりと予算を確保し、地域住民や交通事業者とのくりかえしの懇談で意思疎通をはかり、現状を把握し、要望に応えられるよう絶えず改善を繰り返していました。
2024年度から新たな地域公共交通計画の計画期間が始まっており、市内16の鉄道駅と、路線バス8路線、ふれあいバス(コミュニティバス)7路線、3周辺エリアのデマンド交通チョイソコなど、鉄道を軸に多様なサービスで公共交通網を形成。それらを乗り継ぎ拠点で接続させていました。
特に居住誘導区域では、便数をふやし1時間に1本のパターンダイヤに改善。2023年度は前年度比9.5%の利用者増を果たしていました。
公共交通関係予算(市実質負担額)は、標準財政規模比で江南市の約1.6倍を確保。ふれあいバス(1乗車100円)とチョイソコ(1乗車400円または600円、高齢者・障害者・小学生は半額)の1乗車あたりの市の運行負担額は749円、収支率は10.7%、ふれあいバス1便あたり乗車人数は12人〜4.5人(平均7〜8人)は、良い成績です。
デマンド交通チョイソコは、経費に比べて乗客数が少なく効率が悪いのは否めません。しかし、ふれあいバスの運行が困難な周辺地域住民の足の確保のために必要と、周辺エリア限定で導入。鉄道やタクシー事業者の営業を圧迫しないよう、きめ細かな配慮がされていました。(写真は、いずれも各務原市HPより)
注目は職員体制です。公共交通の専門係が3人体制で、毎年市内12か所の地域へ出向いて住民懇談会を行い、地域の声に耳を傾けて公共交通の改善につなげていました。
ドアツードアのデマンド交通の導入については、停留所まで歩くことがフレイル予防になるとの考え方を福祉分野と連携して貫き、今後も導入は考えていないとのことでした。路線バスやふれあいバスの運転手不足はここでも深刻で、事業者との話し合いで実態把握に努めていました。
江南市は北部地域での新たな公共交通の導入を検討中で、2025度から1年前倒しで地域公共交通計画を策定予定です。今後の江南市の公共交通の在り方について、住民参加で真剣に議論する必要があります。
各務原市のデータ 人口14万4千人、面積87.81平方キロメートル、 財政力指数0.85(2023年度)