市政の動き−市政の動き
【09.11.05】厚生文教委員会の行政視察報告=10月27・28・29日
男女共同参画都市宣言=八王子市、健康長寿のまち=佐久市、校庭の芝生化=小諸市
視察の初日は、東京都八王子市。人口56万人の都市ですが、高尾山に象徴される山に囲まれた自然豊かな町です。大学が多く集中し、学生だけで江南市の人口を上回る11万人が学んでいるとのことです。
男女共同参画社会基本法が制定された1999年に、八王子市では、男女共同参画プランとともに、男女共同参画都市宣言を12月議会で制定し、男女共同参画行政を推進しています。
今年3月には、第2次男女共同参画プランを策定し、3つの重点目標を定めて、市民活動推進部男女共同参画課を中心に事業が展開されていました。
3つの重点目標は(1)男女平等意識のより一層の啓発、(2)配偶者等からの暴力防止の推進、(3)仕事と生活の調和(ワークライフバランス)の推進に置いているとのことでした。
とくに男女共同参画センターにおいて、相談専用電話が開設され、DV専門の相談(DVホットライン)や保健、法律相談、カウンセリングなどが専門の相談員や弁護士、カウンセラーなどによって精力的に行われています。
職員体制も、センターの管理運営も含め、女性の課長さんをはじめ7名の体制で、ほかに嘱託の相談員が4名と充実しています。
毎年政策評価を行い公表しています。審議会等への女性の参加は2007年度で36.1%と江南市の倍近い参加率ですが、目標は50%なので「まだまだです」とのことでした。
健康長寿の町佐久市を訪問
2日目は、新幹線で長野県佐久平に飛んで健康長寿の町佐久市を訪問。
佐久市は、市立国保浅間病院と旧臼田町にある厚生連佐久総合病院の先進的な地域連携医療によって、健康長寿のまちとして知られ、医療費も全国平均より低く抑えられているとして全国的に知られている町で、一度訪れたいと思っていたまちです。
しかし、病院の先進的な取り組みだけではない、行政のしっかりとした理念にもとずく長期にわたる取り組みと、まちの風土も大きく影響していることがわかりました。
佐久市は、子育て支援と健康で長生きできる街づくりを、2つの大きな柱に頑張っていますとのことです。
かつて昭和36年当時は、脳卒中による死亡率が全国1高く、これを克服する取り組みが医療(浅間病院)と保健指導(行政)の連携によって、減塩運動や食生活改善運動などが展開され、昭和49年には全国平均を下回るまでに成果を上げてきたとのことです。
現在
平均寿命
全国(17年国勢調査)男性 78.8歳 女性 85.6歳
佐久市(17年 〃 )男性 79.9歳 女性 86.1歳
江南市( 〃 )男性 78.9歳 女性 85.1歳
100歳以上の高齢者(19年9月厚労省)
全国 32295人 人口10万人当たり 25.28人
佐久市 人口101000人 56人
江南市(21年4月) 人口102128人 14人
高齢者の医療費(一人当たり)
全国 (17年度) 82万円
佐久市(18年度) 69万円
江南市(18年度) 72万円
高齢者支援のメニューは96項目に及んでいます。このメニューの中には江南市でも取り組んでいるものもたくさん含まれていますが、大きく違うのは、保健師さんの数と圧倒的な住民参加の内容です。
・保健師30名以上 江南市は12名。(人口はほぼ同じ)
・保健補導員制度に、21年は711名参加(補導員経験者数24000人余)
・お達者応援団育成塾(地域でのサロン活動などリーダー養成)
・はつらつ音楽サロンやはつらつ水中ウォークなども、地域の温水プールや音楽教室な どの講師やトレーナーなどの協力で運営されている。
また
日頃はピンピン元気で長生きし、コロリと大往生できるようにと「ピンピンコロリ」を合言葉に健康長寿のまちづくりに取り組んでいる佐久市。これを町の活性化にも生かそうと平成15年佐久市野沢の成田山薬師寺の山門前に、その名も「ぴんころ長寿地蔵」が出現し、第2土曜日には山門市がたち多くの人々でにぎわっているとのことです。
ぴんころ地蔵にあやかった様々なグッズもつくられ、山門だけでなく駅の売店にもたくさん売られていました。
グッズはキーホルダーから、帽子、Tシャツ、ごま、酒、焼酎、長寿最中などなど。
学校の芝生化を視察。
3日目は、小諸市。
学校の芝生化について、その目的と維持管理について、視察しました。
子供たちが転ぶことを怖がらずにのびのびと動き回ることができるように、また地球温暖化対策などの環 境教育にも役立つことを目的に、全小学校の芝生化を目指す教育委員会は、まずモデル校として水明小学校で今年実施したとのこと。
児童数は全校380人。4800平米の校庭を全面的に芝生化しました。
6月28日に約300人の親子などボランティアが参加し、ティフトンという洋芝のポット苗を50センチ間隔で植え付け。約2か月の養生期間を経て、8月18日から使用。9月の運動会も芝生のもとで行いました。
維持管理にかなりの手間ひまがかかります。
校庭全域にスプリンクラーを埋設し、毎日散水が必要です。施肥は約2週間に1回化成肥料をまきます。ティフトン芝の保護のために秋には、冬芝の種を撒きます。私たちが訪問した時はすでに冬芝の芽が出て青々としていました。
全体の事業費は
工事費(散水設備等) 876万円
委託料(技術指導料) 92万円
原材料(夏芝・冬芝) 73万円
肥料代 21万円
備品(芝刈機・倉庫他) 148万円
その他 19万円 計1229万円 約60%は補助金を活用。
維持管理費 約40万円(1平米あたり76.8円)
散水用の水は湧水を引いてきているので0円。
小学校を訪問した時はちょうど休み時間で子供たちがボール遊びなどに興じていました。芝生化は、子どもたちの評判は上々とのことです。
小諸市は、こうした芝生化だけでなく、環境教育にも力を入れ、すでにすべての小中学校に太陽光発電を取り入れ、グリーン電力証書制度に参加し、また給食の自校方式を守り、地産地消に力を入れているとのことでした。
校舎のすぐ脇が学校水田。冬には水を張ってスケートリンクに。ところが最近はあまり凍らなくなってしまったとのこと。
太陽光発電の電力表示(校舎の一階で誰でも見ることができる)
学校の玄関に設置されていました。