活動日誌−東奔西走
【20.02.07】城陽市のロゴスランドを超党派で視察
城陽市のロゴスランドを超党派で視察
2月3日(月)、すいとぴあ江南の存続問題を考えるヒントを得る目的で、市議会の4会派9人で、京都府城陽市の総合運動公園(鴻ノ巣山運動公園)内のアウトドアのテーマパーク、ロゴスランド(2019年6月に全体がオープン)を視察しました。
すいとぴあ江南をテーマに昨年11月に開催した「市民と議会の意見交換会・建設産業員会分科会」に参加され、熱弁を振るわれた市民から、民間アウトドア企業との共同で老朽化した市営宿泊施設をリメイクし、見事に復活させた事例として紹介いただいたのが、城陽市のロゴスランド。
そのような画期的で「美味しい」話があるのならば、ぜひ参考にと超党派で訪問し現地を確認、詳しい説明をうけ、数々の疑問が解消しました。
ロゴスランドに足を踏み入れると、まるで敷地・施設の全体を民間企業が買い取って運営するアウトドア施設・BBQ広場の雰囲気で、とても公共の施設とは思えませんでした。施設内には、ロゴスのアウトドア用品の店や展示場までありました。
全国へ新しい事業展開を狙うアウトドアブランド企業にとっては、「美味しい」話であったわけですが、市側にとっては必ずしもそうとも言えず、公共施設の根本的な老朽化が解消したわけではなく、公共施設にかかわる一切の負担は、現在も今後も市が担っていくことに変わりはありませんでした。
民間企業のPR戦略の場に市施設を大胆に提供することで、賑わいが見事に復活し宿泊施設をひとまず延命することができたことは、やはり画期的。室内での全天候型キャンプなど斬新な発想には驚かされます。しかし、常に話題性がないと継続が難しい面があり、一時的な賑わいに終わりかねない不安も覚えました。
すいとぴあ江南と同様、市街化調整区域にある城陽市総合運動公園内には、国体やインターハイ開催時の宿泊施設として建設された築31年、築22年の2つの市営宿泊施設(合宿施設)があり、それぞれ指定管理者制度で管理運営されてきました。
管理運営は利用料金で賄う契約としていたため、老朽化に伴う売り上げの伸び悩みから指定管理者は毎年2千万円前後の収支赤字を計上。1施設は指定管理者が契約途中で投げ出す事態に見舞われました。
そこで市は、2018年度は一部を、2019年度からは全体の指定管理者としてキャンプ・BBQ用品メーカーの(株)ロゴスコーポレーションを選定。芝生、アスレチック広場と2宿泊施設を一体で、5年間の指定管理を契約。
芝生、アスレチック広場については、収益が見込めないことから、3842万円/年の指定管理料で維持管理を任せ、大規模修繕は市が行い、指定管理者が行った経常的修繕に係る費用は、実績で指定管理料として市が支払う仕組みとなっていました。
特徴的だったのは2つの宿泊施設等のリニューアル工事と改修の費用負担の方法。
オープン前リニューアル工事は(株)ロゴスの提案にもとづく内容ですが、市の資産形成に係るものの費用は市が負担。他のリニューアル工事は、ロゴス側でいったん負担し、指定管理料に組み入れて10年間で市が償還。市の負担が平準化されていました。施設の修繕、改修費用も市が指定管理料として支払う契約でした。
宿泊施設の管理運営は、利用料金で賄うものとし、利益が出た場合は純利益の50%を営業料として市に納付させるものですが、赤字となった場合は別途協議する。となっており、半分だけ先行オープンした昨年度の3300万円余の赤字は、結局市が負担していました。契約に基づくものとはいえ、民間企業に譲歩し過ぎではないのか、公共施設の本来の設置目的との関連は大丈夫なのかが気になりました。
(株)ロゴスが市の宿泊施設等を市負担で、ロゴスイメージに改修したその後が気がかりで質問した結果、ロゴスが5年後に指定管理から撤退した場合でも、10年間の市による償還義務はそのまま残ること、ロゴスが撤退する場合は、ロゴスの費用負担で施設を現状復帰する契約となっていることがわかりました。
すいとぴあ江南の宿泊料金は、市の条例で上限額を定めており、格安です。そのため稼働率40%でも、到底、指定管理者として十分なものとはなりません。
これに比べて、ロゴスランドでは宿泊料金はじめ一つ一つが高く驚きましたが、気候の良い時期は大人気で若い世代が押しかけ満員で、駐車場不足が深刻だそうです。2月の閑散期・平日には、市内利用者限定の少し安い料金の宿泊プランも設けられていました。ロゴスランドでは、宿泊料金を条例などで定めていないのか疑問でした。
市民の方の熱心な提案があり、すいとぴあ江南の今後を考えるために視察しましたが、公共施設の在り方と存続の関連でいっそう考えこんでしまいました。