市政の動き−市政の動き

【19.02.19】不安いっぱい 布袋駅東開発は見直しを

わざわざ商業施設と合築棟で30年限定の新図書館を建設してどうする!

  布袋駅東地区に広がる約9000平方メートルの工場跡地を市が約9億円もかけて買収し、民間の資金と活力を利用し新たな賑わいの拠点を創出するとして、市は2017年3月に布袋駅東複合公共施設基本計画を策定しました。



ところが2018年5月、図書館を複合公共施設内に移転するとの市長の突然の表明によって、基本計画の作り直しが必要となり、図書館基本計画の策定と並行して改定作業が市役所内部で進められてきました。


ようやく2月9日に公表され、現在パブリックコメント中の基本計画の改定案。(江南市HPで掲載中)  ここをクリック→布袋駅東複合公共施設基本計画改定案


9000平方メートルの敷地内への施設の配置イメージ、導入施設の構成イメージや想定する事業スキームが示されていますが、問題大ありの計画となっています。


将来に禍根を残すと、最も懸念するのは公共施設と民間施設の合築棟を想定していることです。



スーパーやテナントが撤退したら、図書館はどうなる?


複合施設は、下層階に食品スーパー等や子育て、医療、福祉機能をもつ民間商業施設、上層階に図書館、保健センター、子育て支援センター、ファミリーサポートセンター、交流スペースなどの市所有の公共施設を、合築棟として民間事業者が建設する想定。


合築棟を市と民間事業者が区分所有し、事業用定期借地権方式で、市有地を民間事業者に貸して借地料を取ることを想定しています。借地期間は、2年前の計画時には30年の想定でした。


定期借地権方式は、契約期間満了後、借地上の建物を取り壊し更地にして市に返還することが原則。30年後に取り壊すことが原則の民間商業施設との合築で市民の大切な新図書館はじめ公共施設をつくったら、どうなるのでしょうか。



  駐車場が大幅に不足


懸念する2点目は、駐車場が公共+民間用合計で260台分(公共で100台分、民間で160台分)しかない計画で、大幅に不足する恐れがあることです。


現在の図書館駐車場でも78台分あるのに、この約3倍規模の新図書館に加え、子育て支援センターや保健センターなども合わせた公共部分の駐車場が100台分とはあまりにも足りません。
しかも、平場の駐車場で35台分、残り225台分は4層5段の自走式立体駐車場(民間が経営)とする想定。


巡回バスなどの公共交通を整備する予定もないため、車での来場者が大半となる可能性があります。駐車しづらい店舗に、客は入りません。果たして、このようなアクセス環境が悪い民間商業施設が、長期間安定した営業が続けられるのでしょうか。


業績不振でテナントが撤退したら空き床はどうなるのか。テナント料収入の不足で開発事業者が撤退することはないのか。不安が募ります。


  さらには、図書館や保健センターなどの公共部分は、国補助金や市積立金などの公共資金を使い請負契約で建設するように変更になったはずなのに、当初予定していた設計・建設・維持管理までを一括性能発注するPFIに準じた方式をとる予定です。これで良いのでしょうか。他にも、疑問な点、心配な点が山積みです。


この布袋駅東開発計画は、パブリックコメントを経て基本計画の改定が確定後、実施方針と要求水準書案の公表、9月議会で、市負担額を定める債務負担行為の議決を行ったあと、開発事業者を募集する手続きが開始されるスケジュールです。



このような危うい開発計画を進めて本当によいのかどうか。肝心の市民への説明も決定的に不足しています。市民参加のまちづくりが泣いています。



日本共産党議員団は、2年前の計画当初から、問題点を厳しく指摘。


公共部分は、市の責任で市事業として建設するべきと対案を示し、見直しを求めてきました。3月議会でも、取り上げていく方針です。

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