市政の動き−市政の動き

【18.06.30】6月議会終わる

核兵器禁止条約への政府の署名と批准を求める請願、不採択

  6月27日(水)、江南市議会6月定例会が閉会しました。

提案された9議案、1意見書案、1請願に対して、日本共産党議員団は一般会計補正予算と介護保険特別会計予算の2議案に反対。残りの7議案と1意見書案、1請願に賛成しました。

 一般会計補正予算には、介護保険制度改悪と負担増を見込んだシステム改修予算や、安倍政権が10月に強行する生活保護基準引き下げのシステム改修予算が含まれています。さらに、PPP/PFI手法で建設を予定する布袋駅東複合公共施設へ新図書館移設を追加するアドバイザリー業務委託、用地購入予算も含まれています。

日本共産党議員団の補正予算への反対討論(掛布議員)の要旨を紹介します。

反対理由の3点目は、布袋駅東複合公共施設整備(事業者選定)事業996万8千円のアドバイザリー業務委託の継続費補正についてです。随意契約で八千代エンジニアリングに委託することを予定しています。この継続費補正は、布袋駅東複合公共施設に、新たに図書館をPPP/PFI手法で移設することを踏まえて、事業スキームの詳細な検討、専門的な見地からの検討を行うためのものと説明がされています。
この継続費補正には、議案質疑を行ってもなお、判明しない様々な疑問、問題点があります。

民間の開発事業者を募集するスケジュールに合わせ、実質約半年という極めて短期間に、新図書館基本計画を策定しなければならない本末転倒な事態になっています。このような短期間では、十分な市民参加の議論を踏まえ、市民合意を得た図書館基本計画はできないのではないでしょうか。長年の市民の願いがようやく叶うという新図書館を、事業者募集優先の拙速なやり方で進めるのは納得できません。

●さらに、図書館基本計画をもとに具体化をはかる一番肝心の設計段階や土地利用計画、施設配置計画の決定段階での市民参加、市民意見の反映の場が、保障されない恐れがあることです。

 丁寧に市民参加で図書館建設を行っている先進自治体の例をみると、基本設計段階でも策定委員会を継続させ、きめ細かな合意を積み上げて基本設計を決定しています。江南市の新体育館でもそうでした。ところが、PPP/PFI手法で図書館を整備しようとする江南市では、基本設計段階での市民参加の策定委員会の予定はありません。


あるのは、実施方針案や要求水準書案をコンサルタントの協力で作り、それを参入予定の民間事業者に公開し、その事業者から意見を募り、案を練り上げる過程です。公開して意見を募る相手が市民ではなく、民間事業者である点が、PPP/PFI手法の特徴です。

  新図書館移設が加わることによって、公共施設部分の延床面積は、これまでの複合公共施設基本計画に比べて倍以上に膨らみます。

公共施設と民間商業施設を、9000平方メートルの用地の中で、どのような配置とするのか。人びとが集い憩う公園緑地や広場を、どう位置づけるのか。子育て支援センターや保健センターを、図書館と同じ施設内に入れるのか、同じフロアーに配置するのかどうか、公共施設と民間商業施設は合築ではなく、別棟にするかどうか、さらに言えば子育て支援センターや保健センターなどの公共施設部分を市の所有とするのか、それとも民間から30年間間借りした状態で賃借料を払い続けるのかどうかなど、本来、土地利用計画や施設の配置計画は一番基本的で大切なところです。


この部分を決定していく際、十分に時間をとって議論を重ね、市民意見を反映させて決定していくプロセスが市の計画では全く足りません。民間事業者の提案に委ねる、アドバイザーに相談などの答弁に終始しました。
これで市民の利益が守れるのでしょうか。



PPP,PFI手法の一般的な特徴として、民間事業者への配慮、民間事業者の創意工夫の尊重、事業機会の創出が重視される点があります。参加意思を示す民間事業者との十分な意見交換や交渉を通じて、事業者の意見を反映させた、事業者がより参入しやすいよう配慮した計画に調整する必要に迫られます。このような仕組みのPPP,PFI手法を前提として布袋駅東開発計画を進めていく以上、市当局が制度に精通し、参入企業相手に市民の立場にたって徹底的に頑張ってもらわないかぎり、市民の利益を守るのは容易なことではないと心配するところです。

●現時点で最も危惧するのは、契約期間満了後の複合公共施設の扱いです。

図書館などの公共施設部分を分棟として整備し、市の所有として管理していれば心配はありません。しかし民間事業者の提案に委ねた結果、公共部分と民間商業施設の合築として整備することになった場合、市と市民の利益を将来にわたって守ることができるのでしょうか。


答弁では、30年の契約期間満了時前に行う市と事業者の協議による合意事項に従って決めていくという趣旨の、あいまいで不安一杯のものでした。30年もの長期間には、経済情勢の変動や起こっては困りますが、大災害の恐れもあります。商業施設が立ち行かなくなり、撤退する、開発事業者そのものが破綻する恐れも考えられます。


民間商業施設の一部分を江南市が区分所有した複雑な維持管理の状態で市立図書館を保持し、40年50年もの長期間に渡り安定して図書館業務ができるとは、とても考えられません。

江南市が、知の拠点として図書館を整備するのならば、民間事業者の提案に委ねるのではなく市の方針として、安全安心な分棟方式を堂々と民間事業者に要求していくことは当然ではないでしょうか

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