市政の動き−市政の動き

【18.08.27】図書館基本計画の策定が進んでいます

拙速な計画策定は止めてほしい

  8月27日(月)、第2回江南市図書館基本計画策定委員会を傍聴しました。


2回目にして、早くも基本計画書(案)が提示され、その大急ぎぶりに驚かされます。


この日の協議事項は、江南市図書館の現状と特性、まちづくりの方向性と図書館の役割、図書館をとりまく動向整理、市民ニーズ、江南市図書館サービスのあり方と整備の基本方針、図書館の蔵書規模と施設規模、今後のスケジュールと盛りだくさん。

それでも委員の方々が、2時間以上にわたって熱心に議論をされたので、傍聴のしがいがありました。特に専門家委員の鋭い指摘には、とても良い刺激を受けました。



市民アンケート結果からわかった、江南市図書館の利用状況は衝撃でした。「過去1年以内に一度も江南市の図書館を利用したことがない」が61.9%。
利用した人でも半数以上が「年数回程度」と、活発に利用されていないことがわかりました。

  さらに衝撃的なのは地区別利用状況です。

古知野・布袋地区といった比較的現図書館に近い地域と、遠い草井・宮田・藤が丘地区とでは、登録率、利用率ともに大きな格差があり、特に利用率では2倍近い差が生じていました。


図書館を利用しない理由で最も多いのが「図書館が遠い・交通アクセスが不便」。様々なアンケート、ヒアリングの結果でも、現図書館の「交通アクセスの悪さ」を指摘する声が圧倒的でした。



昭和51年に開館してから40年以上。ただでさえ、狭隘で段差が多く蔵書が少ない、10万人都市として貧弱すぎる江南市図書館に、巡回バス・路線バスといった公共交通を何も通すことなく長年放置してきた大きなツケが回ってきたと言えるのではないでしょうか。

  市南端の布袋駅東地区につくるという新図書館への市内全域からの公共交通が、何としても必要です。今日の策定委員会でも公共交通整備を強く訴える意見が出ていました。当然でしょう。


しかし市当局は「交通アクセスは、図書館基本計画策定委員会の検討事項には含まれない」とはねのけ、代わりに今後の方向性として提示したのが「市内にある3つの公民館図書室で本の貸し出しサービスを行い、新図書館機能を補完する」というものでした。

しかし、公民館図書室に司書を常時配置し、図書館分館の機能を持たせるところまで充実する覚悟がない限り、補完は無理な話です。公民館がない、宮田地域や草井地域はどうするのでしょうか。


具体的整備方針も示さない不確実な公民館図書室計画で、お茶を濁すのは困ります。


この日の策定委員会では、あやふや答弁で先行き不透明なまま新図書館の施設規模計画値を約3000平方メートルとすることで了解されました。


早くも、新図書館の計画規模が決められたのは、布袋駅東開発の事業者募集に必要な「図書館移転を踏まえた複合公共施設基本計画の見直し」「実施方針案、要求水準書案」の準備に間に合わせるためなのでしょうか。


待望の新図書館が、市民の意見を充分に反映したものになるよう拙速な計画策定は止めてほしいものです。

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